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子供の永久歯がなかなか生えてこない場合の原因と対処法

子供の永久歯がなかなか生えてこない場合の原因と対処法

「うちの子、乳歯が抜けたのに、次の歯が全然生えてこない…」
「他の子はもう永久歯が出てきてるのに、なんでうちだけ…?」

そんなふうに、成長の節目である“歯の生えかわり”が思うように進まないと、つい心配になりますよね。
もしかして何か異常があるのかも?と、スマホで検索しながらモヤモヤしてしまう…。
その気持ち、すっごくわかります。

子どもの成長には個人差があるとわかっていても、「何も対処しなくて大丈夫?」という不安はずっと残るもの。
しかもお口の中って、パッと見ではわかりにくいから、余計に不安が募ってしまいますよね。

でも、大丈夫です。
永久歯が生えてこないことには、きちんと理由がありますし、ほとんどの場合は早めに気づけばちゃんと対応できます。

このコラムでは、そんな「子供の永久歯がなかなか生えてこない場合」に隠れている原因や、親としてどう向き合えばいいかを、やさしくわかりやすく解説していきます。

永久歯がなかなか生えてこない…親としての不安

子供の永久歯

「乳歯は抜けたのに、次の歯が全然出てこない…」
そんなお子さんの歯の状態に、不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか?

実は、永久歯がスムーズに生えてこないことは、子供の成長の中で珍しくありません。ですがその裏には、放っておけない原因が隠れていることもあるんです。

放置するとどうなる?考えられるリスクとは?

永久歯の萌出が遅れている場合、そのままにしておくと次のようなトラブルにつながることがあります。

歯列や噛み合わせが乱れる
→ 本来あるべき歯が生えてこないことで、他の歯が傾いて動いてしまう可能性があります。

顎の成長バランスに影響する
→ 歯のない状態が長く続くと、噛む力が左右どちらかに偏ることも。

隣の歯に余計な負担がかかる
→ スペースを埋めようとするように、周囲の歯が動き、不正咬合を招くことがあります。

その結果、矯正治療が必要になることもあるため、「そのうち生えてくるだろう」と自己判断せず、原因を調べることが大切です。

よくある原因とその対処法

「なかなか生えてこない=異常?」って思ったときに、一番知りたいのは「何が原因なの?うちの子はどれに当てはまる?」ってところですよね。

永久歯が生えてこないとき、原因は1つじゃありません。
しかも、「見た目ではわからない」ことが多いんです。
ここでは、歯科医院で実際によく見られるパターンを、わかりやすく解説します。

埋伏歯(まいふくし)

永久歯があごの骨の中に埋まったままになっていて出てこられない状態。

  • レントゲンで確認すると、歯がきちんとできているのに、歯ぐきの中や骨の奥に埋まっていることがあります。
  • 前歯や八重歯(犬歯)で特に多く見られます。

 対処法

  • 永久歯が自然に出てこられるように、矯正治療でスペースを確保したり、場合によっては外科的に引っぱり出す処置をします。

先天性欠如

最初から永久歯の「もと(歯胚)」が存在していないケース。そもそも永久歯の「芽」が作られていないという、先天的な状態。

  • 全体の5〜10%くらいの子どもに見られる、意外と身近なトラブル。
  • よくある部位:前歯の横や第二小臼歯(奥歯の手前)。

 対処法

  • 乳歯が残っていれば、大事に長く使うこともあります。

 今後の咬み合わせや見た目のバランスを考慮し、矯正や被せ物で対応することもあります。

乳歯の根っこがしぶとく残ってる

本来なら溶けていく乳歯の根が残っていることで、永久歯が生えにくくなっている。

  • 根が吸収しきれていないと、永久歯の通り道がふさがれてしまうことがあります。

対処法

  • レントゲンで確認し、必要に応じて乳歯の残存部分を抜歯します。
  • その後、自然に永久歯が出てくることも多いです。

乳歯の抜歯が必要になることがあります。

永久歯の位置がずれている

永久歯が斜めや横向きに生えてしまっていて、正しく出てこられない状態。

  • 周囲の歯や骨の影響で、まっすぐに上がってこられないことがあります。
  • 特に八重歯や下の前歯でよく見られます。

対処法

  • 矯正治療で歯の向きやスペースをコントロールすることで、自然に出てくるのを促すことができます。

上記のような状態は、レントゲンなどの画像診断によって的確に判断できます。ご家庭ではわかりにくいため、歯科医院での確認がベストです。

早めの対応で未来が変わる

永久歯の生え方に問題があると、不正咬合や見た目のコンプレックスにつながることもあります。でも大丈夫。早めに対応することで、次のようなメリットがあります。

歯並びの乱れを未然に防げる

将来の矯正治療が軽くすむ可能性がある

顎の成長を適切に導くことができる

子どもの自信や笑顔を守れる

「何かおかしいかも」と思った時点で相談することが、お子さんの未来に大きくプラスになります。

まずは歯科医院での健診をおすすめします!

ご家庭では判断がつきにくい歯の状態も、歯科医院なら以下のような方法で的確に診断できます。

レントゲン撮影で、永久歯の位置・状態をチェック

歯ぐきの状態や乳歯の根の吸収具合を確認

必要に応じてCTでより詳しい画像検査を行う

また、歯科医院では、ただ診るだけではなく、今後の成長の見通しをふまえたアドバイスをしてくれるので、迷ったらまずは健診の予約をしてみましょう!

まとめ

迷ったら、専門家に相談してみて

お子さんの歯の発育は、個人差がとても大きいもの。だからこそ、不安に感じたときには一人で悩まず、歯科医院の力を借りてください。

永久歯が生えてこない場合には…

その原因は複数あり、早期発見で対処可能なケースも多い

放置はリスクになることも

歯科医院での早期診断と、必要に応じた治療が大切

「うちの子だけおかしいのかな?」なんて心配は要りません。気づいた時点での行動が、お子さんの将来の笑顔につながります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 清水 博行

大阪歯科大学卒業 日本補綴歯科学会 日本口腔インプラント学会

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茨木クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック