歯周病

歯周病の初期症状は?見落としやすいサインを詳しく解説

歯周病の初期症状は?見落としやすいサインを詳しく解説

歯周病の初期症状にはどんなものがあるの

歯ぐきの出血や腫れ、口臭、朝のねばつきなどが代表的なサインです。痛みが少ないため気づきにくいのが特徴で、早めの発見と健診がとても重要です。

この記事はこんな方に向いています

  • 歯ぐきの出血や腫れが気になっている方
  • 口臭が強くなった気がする方
  • 定期的な歯科健診を受けていない方
  • 歯周病を早めに防ぎたいと考えている方

この記事を読むとわかること

  1. 歯周病の初期症状と見落としやすいサイン
  2. 早期発見のためのセルフチェックポイント
  3. 歯周病を悪化させない生活習慣の改善法
  4. 歯科医院での検査・治療の流れ

 

なぜ歯周病の初期症状は気づきにくいの?

歯周病は、初期のうちは痛みがほとんどないため、気づかれにくい病気です。歯垢や歯石によって歯ぐきが炎症を起こしていても、症状が軽い段階では自覚がありません。その結果、治療を受けるタイミングを逃し、進行してから発見されるケースが多いのです。

歯周病は痛みが出にくく、気づかないまま進行することが多い病気です。

歯周病は「静かに進行する病気」と呼ばれるほど、自覚症状が乏しいのが特徴です。歯ぐきの炎症が起きても、軽い赤みや腫れでは「疲れかな」と思って放置されがちです。

しかし、歯垢(プラーク)中の細菌が歯ぐきのすき間に入り込み、炎症を引き起こすことで歯を支える骨が少しずつ溶けていきます。この段階で放置すると、取り返しのつかない歯の喪失につながることもあります。

関連ページ:歯周病はどんな病気?

歯ぐきからの出血や腫れは初期サイン?

歯磨きのときに出血する、歯ぐきが腫れていると感じる場合、それは歯周病の初期症状の可能性があります。特に歯垢がたまりやすい歯と歯の間や、歯ぐきの境目で炎症が起こりやすくなります。早期に対応すれば治る段階です。

歯ぐきの出血や腫れは、歯周病の初期サインとして見逃せません。

歯ぐきから血が出ると「磨きすぎた」と思う方もいますが、むしろ逆で「磨き足りない」サインであることが多いです。
歯垢が残ることで炎症が起こり、歯ぐきの毛細血管が傷つきやすくなっているのです。

出血・腫れが起こる主な原因

  1. 歯垢や歯石が付着している
  2. 歯磨きの時間や回数が不足している
  3. ホルモンバランスの変化(特に女性)
  4. 睡眠不足やストレスによる免疫低下

これらはすべて歯ぐきの炎症を悪化させる要因です。
特に歯垢や歯石は家庭で完全に取り除くことが難しいため、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。

関連ページ:歯茎からの出血は歯周病?

口臭やねばつきも歯周病のサイン?

朝起きたときの口のねばつきや、人から指摘される口臭も、歯周病の初期症状のひとつです。歯垢中の細菌が発生させるガスが原因で、口の中に不快な臭いが広がります。口臭は体のサインでもあるため、軽視せずに確認が必要です。

口臭やねばつきは、歯周病が始まっている可能性を示す重要なサインです。

口臭の原因は、食べ物の残りや舌の汚れだけではありません。
歯垢中の細菌がタンパク質を分解すると、「揮発性硫黄化合物」というガスを発生させます。これが、歯周病特有の臭いを作り出します。

歯周病による口臭の特徴

  • 朝起きたときに強くなる
  • マスクをすると自分でも臭いを感じる
  • 歯ぐきの炎症と同時にねばつきがある

一時的な口臭とは違い、慢性的に続くようであれば、歯周病の進行を疑うべきです。

関連ページ:口の中の粘着きが気になる

歯の動きや違和感を感じたら要注意?

歯が少し浮いた感じがする、噛むと違和感があるといった症状は、すでに歯周病が進行している可能性があります。初期段階では軽度でも、歯を支える骨が溶けはじめている場合があります。

歯のぐらつきや噛みづらさを感じたら、歯周病の進行サインです。

歯周病が進むと、歯ぐきの奥にある骨(歯槽骨)が溶け、歯の支えが弱くなります。その結果、歯がわずかに動くようになり、硬いものを噛むと違和感を覚えるようになります。

違和感を感じたときのチェックポイント

  1. 歯と歯の間に食べ物がよく詰まる
  2. 噛んだときに痛みを感じる
  3. 歯ぐきが下がって歯が長く見える

これらの症状がある場合は、初期段階を超えている可能性があるため、早急な受診が必要です。

歯周病の初期段階で受けるべき検査とは?

初期歯周病の診断には、歯周ポケットの深さや歯ぐきの出血を調べる検査が有効です。レントゲンで骨の吸収状態を確認することで、目に見えない進行度も把握できます。

歯周病の初期発見には、歯周ポケット検査とレントゲン検査が重要です。

検査項目 内容 目的
歯周ポケット検査 歯と歯ぐきのすき間の深さを測定 炎症や骨吸収の程度を確認
出血検査 歯ぐきを軽く触り出血を確認 炎症の有無をチェック
レントゲン検査 骨の吸収状態を画像で確認 進行度の可視化
プラーク付着検査 歯垢の量や位置を調べる 清掃状態の確認

これらの検査を定期的に受けることで、初期段階の歯周病を早期に発見できます。痛みがないうちに受診することが、歯を守る第一歩です。

早期発見のために日常でできるセルフチェックは?

歯周病は日々のセルフチェックで早期に気づけます。鏡を使って歯ぐきの色や形を観察し、出血や腫れ、口臭の変化などを確認することが重要です。

日常的な観察が、歯周病の早期発見につながります。

セルフチェックのポイント

  1. 歯ぐきの色がピンクではなく赤っぽい
  2. 歯磨きで血が出る
  3. 朝起きたときに口がねばつく
  4. 歯が長く見える
  5. 口臭が続く

一つでも当てはまる場合、歯周病が始まっている可能性があります。鏡でのチェックに加え、歯科医院での定期健診を受けることで、より確実に異変を見つけられます。

歯周病を防ぐための生活習慣のポイント

歯周病の進行を防ぐには、毎日の歯磨きだけでなく、食生活や睡眠、禁煙などの生活習慣も大切です。免疫力を高めることで、歯ぐきの健康を保つことができます。

生活習慣の見直しが、歯周病予防の基本です。

予防に役立つ生活習慣

  1. 正しい歯磨きの実践 → 歯垢を丁寧に除去し、歯ぐきを優しくマッサージ
  2. 食事バランスの改善 → 野菜・たんぱく質・カルシウムを意識
  3. 禁煙 → 喫煙は血流を悪化させ、歯周病のリスクを高めます
  4. 十分な睡眠とストレス管理 → 免疫力の低下を防ぎ、炎症を抑える
  5. 定期的な歯科健診 → 専門家による早期発見・クリーニング

これらの習慣を継続することで、歯ぐきの健康を維持し、歯周病の再発も防げます。

まとめ

初期サインを見逃さず、早めの健診で予防を

歯周病は静かに進行する病気ですが、初期の段階で気づけば十分に治療・改善が可能です。出血・腫れ・口臭・ねばつきといったサインを見逃さず、早めに歯科医院を受診しましょう。

「痛みがない=健康」とは限りません。気づいたときには受診をおすすめします。

歯周病は日本人の約8割がかかるといわれる身近な病気です。
しかし、初期症状のうちに適切なケアを行えば、健康な歯ぐきを取り戻すことができます。

定期健診と正しい生活習慣を続けることが、歯を一生守る最大の予防法です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 清水 博行

大阪歯科大学卒業  日本補綴歯科学会  日本口腔インプラント学会

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茨木クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック