歯周病

歯茎からの出血は歯周病?

歯茎からの出血は歯周病?

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 脇田 悠仁

歯茎からの出血は歯周病かなと気になるでしょう。歯茎の出血や歯周病について、ご説明します。

歯茎から出血するのは歯周病?

食べ物を噛む時、もしくは歯ブラシで歯磨きを行っている時、急に歯茎から出血が起きてしまうと、お口の中にトラブルを抱えている可能性があります。通常ならば歯磨きや食べ物が当たる程度で出血はしませんが、歯周組織に何か炎症が起きていた場合、僅かな刺激で部分的に血が出ます。

歯周病にならない人の方が少ない?

成人のおおよそ8割が歯周病の予備軍であると言われています。下記リンクにも記述しております。

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年代別で確認しますと、30代から60代の方のおおよそ半数以上が歯周病にかかっています。歯周病は年齢とともに進行していき、70代になると歯を喪失してしまう方が増えています。

このことからもわかる通り、歯を失う原因で一番多い原因が、歯周病です。その次に虫歯、歯の破折という順番です。

歯周病とは

歯周病の進行

歯と歯肉の隙間にある歯周ポケットへ細菌が侵入して感染し、歯肉の組織が炎症を起こします。初期の症状が歯肉炎です。

歯肉炎を放置したままにすると、歯を支える骨(歯槽骨)を細菌が溶かして歯が不安定な状態になります。歯肉炎が悪化した状態を歯周炎と呼びます。むし歯でよくある痛みがないまま歯肉が赤く腫れる状態で進行し、気づいたら歯がぐらぐらしていたり、抜けてしまったという方もいらっしゃいます。

歯周病で抜歯に至れば食事で噛めません。歯周病の治療をきちんとしたうえで、義歯処置(入れ歯・ブリッジ・インプラント)を歯科医院で行う必要があります。

歯茎から出血したらどうすればいい?

歯茎から大量に出血した場合は、何らかの外傷により歯ぐきを傷つけています。また、血液関係の疾患がある方、もしくは薬を服用している方は、無理やり患者様ご自身で磨くと悪化する可能性があります。すぐにクリニックへ通院し、ドクターの処置を受けましょう。

それほど多くない出血の場合は、出血が気になるとは思いますが、歯磨きを続けて歯科医院を早めに受診しましょう。歯周病ではなく、歯ブラシでの磨き方が間違っている場合があります。正しい歯の磨き方を歯科衛生士に指導してもらうことが大切です。

出血が嫌で歯を磨かないと、プラークや歯石、バイオフィルムが多くなり、口腔状態が悪化し、虫歯の原因にもなります。全身疾患へつながるリスクがあるので、お口は健康に保ちましょう。歯や歯肉のセルフケアは、短い時間で強くこするのではなく、優しく丁寧に時間をかけてブラッシングをする方法がベストです。歯との境目の歯周ポケットから付着した汚れや歯垢を出すようにし、デンタルフロスや歯間ブラシには力を入れないようにしましょう。

歯茎からの出血と歯周病に関するQ&A

歯茎からの出血は常に歯周病を意味しますか?

歯茎からの出血は歯周病の兆候の一つですが、必ずしも歯周病を意味するわけではありません。歯磨きの際に歯茎を傷つけたり、歯ブラシの硬さや磨き方が原因で出血することもあります。しかし、頻繁に出血が起きる場合や他の歯周病の症状もある場合は、歯周病の可能性が高くなります。

歯茎からの出血が気になる場合、どうすれば良いですか?

歯茎からの出血が気になる場合は、歯科医院を受診しましょう。大量の出血や外傷が原因の場合は早急な処置が必要です。軽度の出血の場合でも、歯磨きの方法や歯ブラシの選び方に問題がある可能性があるため、歯科衛生士に相談して正しいケア方法を学ぶことが重要です。

まとめ

歯のキャラクター

タバコを吸っている方は、歯周病でも歯茎から出血しない場合があり、歯茎から突然白い膿が出て、口臭も強くなり、重度の歯周病になっていると自覚されます。そのため、ご自身でのケア以外に、予防歯科という観点から定期的に歯医者さんを受診してクリーニングをし、お口を清潔に健康にを保つよう習慣づけましょう。また、噛み合わせや歯並び、歯や歯肉の色など、気になることがあれば歯科医師やスタッフへお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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