
毎日歯磨きしていれば、歯周病にならないでしょう?と思っている人がほとんどだと思います。でも残念なことに、毎日歯磨きをしていても歯周病になる可能性はあります。日本では多くの方が既に感染しており、歯周病予備軍といわれる方も多いというのが現状です。
歯周病は「日本人の国民病」。約8割が「歯周病患者」もしくは「予備軍」
日本人の成人の約8割が「歯周病患者」もしくは「予備軍」といわれているのは、厚生労働省の歯科疾患実態調査(2005・2011年)で、口腔内に何らかの所見が認められた人が約8割だったということに由来しています。
歯周病は、歯を失う原因の第1位にも挙げられていますが、重症になるまでは自覚症状がないため気付いた時にはかなり進行しているケースも少なくありません。年代が上がるに従って、症状が進行している人の割合も増加していっています。
「若いから歯周病なんて関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはりプラークを溜めない習慣を身につけていかないと年齢に関係なく発症してしまいます。少しでも気になることがあれば、手遅れにならないよう早めに歯科医院を受診しましょう。
歯周病とはどんな病気?
歯周病とは、細菌の感染によって歯肉(歯茎)に炎症が起こり、歯周組織を破壊し顎の骨を溶かしていく病気です。歯と歯ぐきの境目に溜まったプラーク(歯垢)が原因となり、歯周組織に炎症が起こる細菌感染症です。歯周病の最大の原因は、プラーク(歯垢)に潜む細菌です。その予防には、日々のプラークコントロールがとても有効です。
しかし初期の段階では自覚症状が殆どなく、気づいた時にはかなり段階が進んでいて、歯茎や歯を支える骨の組織が失われ、歯がグラグラになってしまいます。処置しなければ、歯はそのまま抜け落ちてしまうことになりますので、日頃から予防に力を入れることが大切です。
歯周病の予防方法とは?
毎日の歯磨きをどのようにして行っているかによっても、歯周病になるかどうかが分かれてきます。歯の表面の汚れだけを意識して磨いていますか?それとも歯茎だけを意識して磨いていますか?歯磨きで意識して頂きたいポイントは「歯と歯茎の間」です。この間に溜まったプラーク(歯垢)をしっかりと除去できないと、リスクが高まってしまいます。
しかし、セルフケアだけでは落とせない歯垢や歯石がありますので、予防のためには歯科医院での専門的なクリーニングなどのメンテナンスを定期的に受けていただくことも必要です。
成人の8割以上が歯周病に関するQ&A
日本の成人の約80%が歯周病を患っているか、または歯周病のリスクが高い状態(予備軍)であるという意味です。
プラークコントロールが歯周病の予防に有効です。毎日の歯磨きで歯と歯ぐきの間のプラークをしっかり除去し、定期的に歯科医院で専門的なクリーニングを受けることが推奨されます。
はい、プラークを溜めない習慣がなければ、年齢に関係なく歯周病に発症する可能性があります。
まとめ

歯周病は、自覚しにくい疾患ですので気付いたら重症化しているケースが多々あります。何も症状がないから「自分は大丈夫」と思いがちですが、日本人の約8割の方が歯周病に感染しているか、もしくは予備軍であることからも、まずは歯科医院での診察を受け、お口の状態を知ることをおすすめします。
早めに診察をして症状がどの程度なのか知ることも大事です。早く気付いたことで悪化させずに防ぐことができますし、治療になったとしても治療時間や通院回数が減るので、何よりも早期発見・早期治療が大切です。