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子供の歯を守る!永久歯が生える前に注意すべき食べ物と生活習慣

子供の歯を守る!永久歯が生える前に注意すべき食べ物と生活習慣

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 清水 博行

永久歯が生える前に、食べ物や生活習慣で気をつけることはありますか?

はい。乳歯の時期に身につけた食習慣や生活習慣は、その後の永久歯の健康や歯並び、かみ合わせに大きく影響します。

この記事はこんな方に向いています

小学生未満〜低学年のお子さんを育てている保護者の方

永久歯が生える前に虫歯や歯並びの問題を予防したい方

食事や生活習慣が歯の成長にどう影響するか知りたい方

この記事を読むとわかること

  1. 永久歯が生える前に避けた方がいい食べ物とその理由
  2. 健康な歯を育てるために必要な食材や栄養素
  3. 歯並びやあごの成長に悪影響を与える生活習慣
  4. 親ができるサポートと日常での注意点

 

なぜ永久歯が生える前の食べ物や生活習慣に注意が必要なの?

乳歯期は、永久歯の生えるスペースやあごの形、歯茎の健康を整える重要な時期です。この時期の食べ物や生活習慣が適切でないと、虫歯や歯並びの乱れ、咬合不良など、将来の歯のトラブルを引き起こします。特に乳歯は永久歯の「ガイド」の役割を持つため、早期の虫歯や脱落は永久歯の位置にも影響します。

乳歯期の習慣は、永久歯の生え方や健康を決める土台です。

乳歯はやがて抜け落ちるから大丈夫…と思いがちですが、それは誤解です。

  • 乳歯の虫歯は口内環境を悪化させ、永久歯も虫歯になりやすくなる
  • 乳歯が早く抜けると、永久歯が正しい位置に生えにくくなる
  • あごの発達不足は歯が並ぶスペース不足を招き、不正咬合の原因になる

このように、永久歯が生える前の時期こそ、食事や生活習慣の見直しが大切です。

永久歯が生える前に避けた方がいい食べ物は?

虫歯の原因になりやすい甘い食品や、歯垢がつきやすい粘着性の食品、酸性飲料は避けるべきです。また、やわらかすぎる食事ばかりでは咀嚼回数が減り、あごの発達が不十分になります。

甘くやわらかい食品は虫歯やあごの成長不足を招きます。

避けたい食品の例

  • 砂糖を多く含むお菓子 → チョコレート、キャンディ、グミ、スナック菓子など。歯垢の増加と酸による脱灰を促進します。
  • 酸性の強い飲料 → 炭酸飲料、ジュース、スポーツドリンクは歯のエナメル質を溶かしやすい性質があります。
  • 粘着性食品 → キャラメルやねり飴は歯に長く付着し、虫歯菌の活動時間を延ばします。
  • やわらかすぎる食事 → ハンバーグ、菓子パン、やわらかい麺類ばかりだと咬む力が育たず、あごの成長が不十分になります。

これらの食品は虫歯のリスクを高めるだけでなく、あごの骨の発達を妨げる可能性があります。乳歯期から「よく咬む習慣」をつけることで、永久歯がきれいに並ぶためのスペースが確保されます。

永久歯のために取り入れたい食べ物は?

長め要約:カルシウムやタンパク質、ビタミンDなどの栄養素を含む食品と、咀嚼を促す硬い食材を組み合わせることで、歯とあごの健やかな発育が期待できます。

栄養と咀嚼が永久歯を強く育てます。

おすすめの食品例

  • カルシウム → 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚
  • タンパク質 → 肉、魚、卵、大豆製品
  • ビタミンD → 鮭、卵黄、しいたけなど
  • 咬む回数を増やす硬い食材 → りんご、にんじん、きゅうり、れんこん

歯や骨の主成分であるカルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで吸収率が高まります。さらに、硬い食材を咬むことで唾液が分泌され、口内の酸性環境を中和して虫歯予防にもつながります。

避けた方がいい生活習慣は?

日常のクセや生活リズムの乱れは、歯並びや口内環境に影響します。特に指しゃぶりや頬杖、口呼吸は永久歯の配列を乱す原因となります。

生活習慣のクセが歯の健康を左右します。

避けるべき生活習慣

  • 指しゃぶり → 上の前歯が前方に傾き、開咬やすき間の原因になる
  • 頬杖 → あごの骨が左右非対称に成長する可能性
  • 口呼吸 → 口の中が乾燥し、虫歯や歯周病リスクが上昇
  • 夜更かし → 成長ホルモン分泌の減少によりあごや骨の発育が不十分になる

こうした習慣は放置すると骨格の成長や歯並びに悪影響を与えます。乳歯期からの改善が、将来の矯正治療の必要性を減らすことにつながります。

永久歯の健康を守るために親ができることは?

親が食事管理や生活習慣の見直しを行い、歯科健診での早期チェックを習慣化することで、お子さんの永久歯は健康に育ちます。

家庭での管理と歯科医院のサポートが鍵です。

親のサポート方法

  • 栄養バランスを考えた食事づくり
  • 指しゃぶりや頬杖をやめさせる声かけと工夫
  • 毎晩の仕上げ磨きで歯垢をしっかり除去
  • 3〜6か月ごとの定期健診で口内環境を確認

家庭での意識と専門的なチェックの両立が、永久歯の健康維持には不可欠です。特に仕上げ磨きは、子どもが自分で歯磨きできるようになってからも小学校低学年までは続けるのが理想です。

おやつの回数とタイミングはどう決めればいい?

むし歯は、甘いものを食べる“量”よりも“回数とダラダラ時間”の影響が大きいと言われます。1日の間食は1〜2回にし、食後すぐにまとめて与えると、口の中の酸性時間が短くなり歯の再石灰化が進みやすくなります。寝る前のおやつや、少量を何度も与えるスタイルは避けましょう。

間食は回数を絞って食後にまとめるのが基本です。

  • 1日1〜2回にする → 回数を決めると「ダラダラ食べ」を防ぎやすい。
  • 食後すぐに与える → 食後は唾液分泌が多く、酸を中和しやすい。
  • 寝る前はNG → 就寝中は唾液が減り、むし歯リスクが上がる。
  • “ながら食べ”を減らす → テレビ・タブレットと一緒だと時間が長くなりがち。

歯は「酸にさらされる時間」が短いほど守られます。間食のルールを家庭内で共有し、カレンダーや声かけで運用すると定着しやすくなります。

仕上げ磨きはどうすれば効果的?

長め要約:永久歯が生える前からの毎晩の仕上げ磨きが、乳歯期のむし歯と歯垢コントロールを左右します。フッ化物配合ペーストを少量使い、**歯間清掃(フロス)**を併用すると効果的です。うがいは軽めにしてフッ化物を口内に残しましょう。

毎晩の仕上げ磨き+フロスが基礎体力です。

  • 就寝前は必ず → 唾液が減る夜の前にきれいにしておく。
  • フッ化物配合ペーストを少量使う → 年齢に合わせて量を調整。
  • フロスを併用する → 奥歯の歯と歯の間は歯ブラシだけでは落としにくい。
  • 軽いうがい → 口内に薬用成分を残す工夫。

むし歯の多くは歯間部から始まります。仕上げ磨きの所要時間は2〜3分でも構いません。“毎晩続けること”が最大の差になります。

まとめ

永久歯が生える前こそ、未来の歯を守るチャンス

乳歯期の食習慣や生活習慣は、永久歯の生え方と健康を決定づけます。甘くやわらかい食品や悪い生活習慣は早めに見直し、栄養バランスと咀嚼を意識した食事、正しい習慣を身につけることが大切です。

今の習慣が将来の歯の健康を作ります。

永久歯が健康に生えるための準備期間は、乳歯期の数年間しかありません。この貴重な時期に正しい食事と生活習慣を整えることで、お子さんの一生の歯の健康を守ることができます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 清水 博行

大阪歯科大学卒業  日本補綴歯科学会  日本口腔インプラント学会

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茨木クローバー歯科・矯正歯科

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