
「ブリッジはどんな治療?」
「ブリッジはまた虫歯になりやすい?」
ブリッジとは何なのか、良くわからない方も多いのではないでしょうか?ブリッジは歯を失った時の治療法の一つですが、保険治療では銀歯のブリッジか入れ歯の2択になります。
ブリッジとはどんな治療なのか、そのメリットとデメリットをご説明します。
目次
ブリッジとはどんな治療法?

歯を失った時に歯を補うために、その両隣の歯を削って土台にして、3本以上の歯を繋いだ形の被せ物をブリッジといいます。
ブリッジには保険適用の銀歯や自費診療のセラミック製のものなど様々な材料で作られたものがあります。ここでは銀歯のブリッジのご説明を行っていきます。
ブリッジを歯に取り付けるためには、土台となる2本の歯の表面を削らなければなりません。ブリッジの土台にするためには、たとえ虫歯のない健康な歯であっても歯の表面を約1/3~1/4ほど削ることになります。
銀歯で被せることによって起こる虫歯の危険
歯を1/3~1/4も削ると、歯の表面を覆っている硬くて虫歯になりにくいエナメル質を全て削り取ることになります。
つまり、歯を守っているエナメル質がすっかりなくなってしまい、エナメル質より約10倍も虫歯になりやすい象牙質に銀歯を被せることになります。
虫歯菌の出す酸は、銀歯を少しずつ溶かします。そのため銀歯と歯の境目の溶けた部分から虫歯菌が銀歯の内部に入り込みやすくなります。
入り込んだ虫歯菌は、やわらかい象牙質を溶かしていき、銀歯の中でどんどん虫歯を広げていきます。
土台として削られる2本の歯の寿命について

ブリッジは失った1本の歯を補うために、両隣の健康な歯を削って虫歯になりやすい状態にしてしまいます。
ブリッジの土台として使わなければ、その2本の歯は将来にわたって何年も健康なままでいられたかもしれません。しかし、ブリッジの土台にするために削って銀歯を被せたばかりに、歯の寿命を縮めることに繋がってしまいます。
銀歯に被せ物をした場合、内部が虫歯になって約5~7年のうちに銀歯をやり直す確率は約50%もあります。虫歯のない健康な歯はとても大切です。
ブリッジ治療を選んで、健康な歯を2本も削るのか、良く考えてお決めください。
ブリッジのメリット
ブリッジとは失った歯の前後の歯を土台として削り、その上に銀歯でつないだ歯を被せる治療法です。
失った歯の本数が1~2本で、保険治療で治したいと思った時には、殆どの人がブリッジを選択します。その理由は、ブリッジのメリットにあります。
- ブリッジは入れ歯と違って取り外しがないので楽
- 噛む力が自分の歯と比べて大きく劣ることがない
- 部分入れ歯とは違ってバネがないので見た目が良い
- ブリッジで治療後に義歯による違和感を感じない
ブリッジのデメリット
一方、ブリッジには次のようなデメリットもあります。
- ブリッジの土台にするためには、虫歯のない歯でも削らなければならない。
- 土台にするために歯の表面を削る量は、歯冠部全体の1/3~1/4にもなる。
- 歯冠部全体の1/3~1/4を削るということは、天然歯の場合、エナメル質がほぼなくなり、残った歯質は象牙質だけになる。
- 象牙質はエナメル質の約10倍も虫歯になりやすい。
- 削った歯が生活歯(神経を抜いていない生きている歯)の場合、暫く痛いことがある。また、冷たいものにとてもしみるようになる。
- 銀歯の寿命は平均すると約5~7年程度なので、5~7年後には作り直しが必要
ブリッジの寿命はどうしてそんなに短いの?

約5~7年というのは平均ですので、もっと長く銀歯を健康な状態で保持できる方もおられます。しかし一般的には銀歯は詰め物・被せ物の中では寿命が短いといわれます。
お口の中には虫歯の菌や歯周病菌などの細菌がたくさんいて、銀を劣化させる酸やガスが絶えず排出されています。保険のブリッジは銀歯で作られていますから、溶けた銀歯の隙間から細菌が銀歯の中に入り込んで虫歯を広げていきます。
ブリッジの土台となっている2本の歯は、銀歯を被せるためにエナメル質が削り取られています。エナメル質の内部は虫歯になりやすい象牙質ですから、とても虫歯になりやすいです。
そのためブリッジの寿命は約5~7年と短くなっています。
まとめ

銀歯で作るブリッジについてご説明しました。ブリッジの材質を自由診療のセラミックにすると、歯垢がつきにくく、歯と被せ物との間に隙間が出来にくいことから、銀歯のブリッジよりも長もちします。
また、インプラントにすれば両隣の歯を削る必要がありません。歯を長く健康に持たせたい方は、自由診療についてもご検討ください。