
矯正治療のためにはお口に矯正装置をつける必要があります。装置にはワイヤーを歯につけるもの、取り外し式のもの、マウスピース型などがあります。それぞれについてご説明します。
ワイヤー矯正

ワイヤー矯正はブラケットと呼ばれるボタンのような装置を歯の1つひとつに貼り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かします。これらの装置をマルチブラケット装置ともいいます。
ワイヤー矯正の装置には、歯の表側に取り付けるものと裏側に取り付けるものがあり、表側に装置をつける治療法が一般的にワイヤー矯正と呼ばれます。
ブラケットには銀色の金属製と白いセラミック製、透明なプラスチック製があり、ワイヤーにも金属(銀色)のものと白っぽく見えるように加工されているものがあります。当院では主に白いセラミック製のブラケットをしており、白いワイヤーはオプションでの選択が可能です。
裏側矯正

歯の裏側にブラケットとワイヤーをつける装置は裏側矯正(舌側矯正)と呼ばれます。装置は歯の裏和賀にあるため、他人からは見えにくいものの、お口の中の空間が狭くなることから、圧迫感や息苦しさを感じる患者さんもおられます。治療費はワイヤー矯正よりもやや高額になります。
マウスピース矯正

近年人気が出てきた透明なマウスピース装置を使う歯列矯正です。ワイヤー矯正、裏側矯正は固定式の装置で自分で外すことは出来ませんが、マウスピース矯正は食事と歯磨きの時には外すことが出来る可撤式の装置です。当院ではインビザラインと呼ばれるマウスピース矯正装置を使用しています。
インビザラインではまずiTeroと呼ばれる3Dスキャン装置でお口の型取りを行います。読み込まれたデータは、完全な歯並びになるまでの歯の動きをAIが作成し、3Dアニメーションとしてディスプレイ上で見ることができます。
その後、歯を効果的に動かすために担当矯正医がクリンチェックと呼ばれる治療計画のデータを作成し、現在の不正咬合の状態から完全な歯並びになるまで、0.25ミリずつ歯を動かした形で、40~60枚程度の透明なアライナー(マウスピース)が作製されます。
患者さんは7~10日毎にアライナーを新しいものに付け替えていき、そのアライナーの形に従って歯が動いていきます。当院では1日22時間以上のアライナーの装着をお願いしており、マウスピースの装着時間を患者さんご自身がしっかりと管理する必要があります。
子供の矯正
床型矯正装置
床矯正装置は取り外し式の装置で、小児矯正で良く使用されます。装置の中央部分にはネジがついており、ネジを回すと装置の横幅が広がるように出来ています。
床矯正装置を上顎の歯に引っかけるようにして取り付けて、1日に1回ネジを回すことで、子どもの上顎を少しずつ横に広げていきます。
お子さんの歯のガタガタの多くは、永久歯が生えるスペースがないことで起こりますので、装置で顎の横幅を広げることで、歯が綺麗に並ぶためのスペースを作ります。
子供のマウスピース矯正
子供もインビザライン(マウスピース矯正)での矯正治療が可能です。10代のお子さん用インビザラインは「インビザラインティーン」と呼ばれる装置で、乳歯から永久歯に生え変わり中のお子さんも使えるよう、オプションが選べるようになっています。
お子さんの場合は特に、アライナー(マウスピース)の装着時間を守ることが大切なので、アライナーにはコンプライアンス・インジケーターと呼ばれるものがついています。
これは、毎日20~22時間以上装置をつけていただくことで色が段々青色から水色に変わっていくもので、その色を見ればアライナーの大まかな装着時間を知ることが出来ます。
まとめ
矯正装置には歯の表側にワイヤーをつける「ワイヤー矯正」、歯の裏側につける「裏側矯正」、マウスピース型の「インビザライン」、床型矯正装置などの種類があります。それぞれの装置には特徴があり、値段の違いもありますので、患者さんとご相談しながらどの装置を使うのかを決めていきます。