
50代・60代からのインプラント治療は手遅れ?という不安
「もう年齢的に遅いかも…」
「若い人向けの治療じゃないの?」
そんな風に感じている50代・60代の患者さんは少なくありません。
でも結論から言えば、“決して遅くありません”。
インプラント治療において大切なのは年齢よりも「お口や身体の状態」なんです。
まずは、その不安の背景を一緒に見ていきましょう。
目次
そのままにすると起こるお口と健康のリスク
歯を失ったまま放置してしまうと、以下のようなリスクが出てきます。
→ 柔らかいものばかり食べるようになり、咀嚼機能が衰える。
→ 頬がこけて老けた印象に。笑顔に自信がなくなる人も。
→ 隣の歯が傾いたり、噛み合わせが悪くなることがある。
→ 噛む力の低下は、脳への刺激も減少し、健康寿命にも影響。
このように、「もういいかな…」とそのままにしておくと、お口だけでなく、全身の健康や生活の質に大きく影響する可能性があります。
実は今こそ治療を始めるベストタイミング
実際、インプラント治療を受ける患者さんの多くが50代~70代です。
こんな声がよく聞かれます。
「もっと早く治療すればよかった!」
「これで人前でも思いっきり笑えるようになった」
「好きなものをしっかり噛めて、毎日のごはんが楽しみに!」
人生100年時代。
50代・60代はまだまだこれから!
「食べる」「笑う」「話す」喜びを取り戻すには、今がちょうどいいタイミングです。
インプラントで手に入る生活の質の向上
インプラント治療を受けると、次のような嬉しい変化が期待できます。
→ 繊維質の多い野菜やお肉も楽しめるように。
→ 自然な歯並びが戻ることで、表情にも自信が。
→ 顎に固定されるので、違和感が少なく安定感抜群。
→ 食事・会話・外出など、日常がもっと楽しくなる。
インプラントは「歯を取り戻す治療」ではなく、「未来の自分の暮らしを作る治療」なんです。
安心して始めるために知っておきたいこと
年齢に関係なく、インプラント治療に進む前には以下の確認が大切です。
全身の健康状態(糖尿病、骨粗しょう症など)
歯茎や顎の骨の状態
普段の歯磨き習慣や健診の受診状況
喫煙の有無
これらの要素によっては、事前に歯周病の治療や骨の再生治療が必要なこともあります。
でも逆にいえば、しっかり準備すれば多くの50代・60代の患者さんが治療可能です。
不安なことは、すべて歯科医に相談しながらクリアにしていきましょう。
高齢者のインプラントで気をつけるべきこと
インプラント治療は高齢の患者さんでも可能ですが、年齢に応じたリスクや配慮点があるのも事実です。以下のポイントをおさえて、安心・安全な治療を受けるための準備をしておきましょう。
インプラント治療前にチェックすべきポイント
全身疾患の有無
高齢の患者さんの場合、インプラント治療において全身疾患の有無は最も重要な確認項目のひとつです。以下のような疾患がある場合、治療計画や手術の進め方に配慮が必要になります。
糖尿病
血糖コントロールが不十分だと、傷の治りが遅くなりやすく、感染リスクが高まるため、注意が必要です。
特にインプラント周囲炎(インプラント周辺の炎症)になりやすいとされており、血糖値のコントロールが治療前後の大きな鍵になります。
高血圧・心疾患
術中や術後に血圧が急激に変動すると、心臓や血管に負担がかかり、危険を伴う可能性があります。
普段から薬でコントロールされている場合でも、必ず歯科医師と内科主治医の連携が必要です。
骨粗しょう症
骨密度が低下していると、インプラントを支える顎の骨の強度が不足していることがあります。
特にビスホスホネート製剤(骨吸収抑制剤)を服用している場合は、「顎骨壊死(がっこつえし)」という重篤な副作用のリスクがあるため、事前に医師と連携した判断が必要です。
脳血管疾患や呼吸器疾患
過去に脳梗塞や心筋梗塞を経験した方、また慢性的な呼吸器疾患がある方は、術中のストレスや麻酔によるリスクが増加する場合があるため、全身状態の把握と慎重なモニタリングが欠かせません。
お薬との兼ね合い
抗凝固薬(血をさらさらにする薬)や骨吸収抑制剤を服用している場合は、手術への影響があるため、服薬内容をしっかり伝えましょう。
こんな場合はどうする?
「持病があるから無理かも…」と感じる方もいるかもしれませんが、多くの疾患は“コントロールされていれば治療可能”です。
大切なのは、以下のような行動をとること。
- 持病や服用中の薬は必ず正直に申告すること
- 内科の主治医と歯科医師の連携をスムーズにすること
- インプラント専門の歯科医院での相談を早めに行うこと
高齢の患者さんにとっては、「歯」だけでなく「全身の健康」も治療の成功に関わってきます。でも、きちんと検査し、歯科と医科が連携する体制が整っていれば、安全に治療を受けられるケースはとても多いです。
「年齢」や「持病」があるというだけで諦めずに、自分の状態をしっかり把握した上で、一歩ずつ治療の可能性を探っていきましょう。
骨の状態
高齢になると骨密度が低下しやすく、顎の骨量が足りない場合があります。この場合、骨造成といった前処置が必要になることもあります。
お口のケア習慣
歯磨きや定期的な健診が苦手な方は、インプラント後のトラブル(インプラント周囲炎)を防ぐためにも、しっかりとしたケアが必要です。
体力と回復力
外科処置を伴うため、全身の健康状態や術後の通院スケジュールへの適応力も考慮しましょう。
歯科医院選びも重要!
高齢者の治療実績がある医院を選ぶ
シニア世代に対する知識と対応力のある歯科医院なら、より安心。
カウンセリングを丁寧にしてくれる医院
疑問や不安にしっかり耳を傾けてくれる医院なら、治療後も信頼して通い続けられます。
高齢であってもインプラント治療は可能ですが、年齢に応じた注意点をふまえた上で慎重に進めることが大切です。そのためにも、歯科医師と密に相談しながら、無理のない計画を立てていくことが成功のカギとなります。
「ちゃんと噛める人生を、これからも」――その願いは、しっかり準備すればきっと叶います。
年齢を理由に諦めないで。まずは相談から
「今さらかな…」と心配する気持ち、すごくよくわかります。
でも、インプラントは何歳からでも始められる治療です。
まずは、歯科医院で以下のような相談をしてみてください。
今の歯と顎の状態で、インプラントができるかどうか
他の選択肢(入れ歯やブリッジ)との違い
自分の生活スタイルに合う治療法
そして何よりも、「どう生きたいか」「どう暮らしたいか」を考えるきっかけにもなります。
まとめ
50代・60代は「老後の始まり」ではなく、これからの人生をもっと豊かにしていくための大事なスタートラインです。
年齢を理由にインプラント治療をあきらめてしまう方もいますが、実際にはこの世代こそ治療に前向きに取り組む方が多く、治療の効果をしっかり実感できている世代でもあります。
たとえば…
「大好きなお肉やおせんべいを思い切り噛めるようになった」
「友人との外食が楽しみに」
「人前で自然に笑えるようになった」
こうした声は、決して特別なものではありません。
きちんと診断と準備をすれば、多くの患者さんが安全に、快適に治療を受けられるのです。
特にこの年代は、お口の健康が全身の健康や心の充実にもつながるタイミング。しっかり噛めるようになることで、食事の栄養バランスが整い、筋力や認知機能の低下の予防にもプラスに働くことがわかっています。
「この先ずっと入れ歯でいいのかな…」
「まだ間に合うのかな…」
そんな迷いがあるなら、まずは一度、専門の歯科医院で相談してみてください。年齢にとらわれず、「自分らしく生きるための選択肢」として、インプラントという選択肢を前向きに捉えてみてほしいと思います。
一歩踏み出したその先に、“あたりまえの笑顔と食事の楽しみ”がきっと待っていますよ。