インプラント

インプラント治療の適応年齢とは?

インプラント治療の適応年齢とは?

インプラント治療は幅広い年齢層の患者さんが受けることができます。ただし、年齢による身体の状態や骨の健康状態によっては、慎重な判断が必要となることもあります。今回はインプラント治療の適応年齢に焦点を当て、どのような条件がインプラント治療の可否に影響するのかをご説明します。

「インプラント治療は何歳まで受けられるの?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか? どうぞ参考になさってくださいね。

インプラント治療の基本と年齢制限の有無

インプラントの構造

インプラント治療とは、失った歯の代わりに人工歯根を顎の骨に埋め込み、被せ物を装着することで機能を回復する治療法です。では、年齢による制限はあるのでしょうか?

結論から言うと、明確な年齢制限はありません。

しかし、
成長期の若年層(10代後半まで)は、骨の成長が未完成であるため、基本的に適応外
高齢者(70代以上)は、骨密度の低下や全身の健康状態によっては注意が必要

といった点が考慮されます。年齢よりも、「骨の健康状態」「全身の健康状態」「口腔環境」の3つの要素が、治療の可否を決定する重要なポイントになります。

若年層(10代・20代)のインプラント治療の注意点

「若い頃に歯を失ってしまったら、すぐにインプラントを入れたほうが良いの?」と思われるかもしれません。しかし、10代の患者さんには、いくつかの注意点があります。

若年層のインプラントのリスク

骨の成長が未完成 → 骨が発育途中のため、インプラントを埋入すると歯列や噛み合わせに影響が出る可能性がある。
顎の発育によるズレ → 成長に伴い、周囲の歯とインプラントの位置にズレが生じることがある。
代替治療の選択肢も考慮 → ブリッジや入れ歯など、成長が終わるまでの一時的な治療法も検討される。

ポイント
20歳前後までは慎重な判断が必要!

成人になって骨の成長が安定してから、インプラント治療を検討するのが一般的です。それまでの間は、仮歯や入れ歯などの代替治療で対応することもあります。

中高年(40代〜60代)でのインプラント治療の特徴

中高年

40代以降になると、歯を失うリスクが高まるため、インプラント治療を検討する患者さんも増えてきます。

40代〜60代でのインプラント治療のポイント

・骨密度が安定しているため、治療が成功しやすい
・歯周病の有無が重要 → 歯周病が進行している場合、治療前にしっかりとケアする必要がある。
・生活習慣に注意 → 喫煙や糖尿病があると、インプラントの成功率が低下する。

【ポイント】
健康管理が重要!

40代以降の患者さんでは、骨の状態が良好であればインプラント治療は非常に有効な選択肢です。ただし、歯周病の治療や生活習慣の見直しが大切になります。

高齢者(70代以上)のインプラント治療は可能?

高齢者

「70代や80代でもインプラントはできるの?」という質問をよくいただきます。

高齢者のインプラント治療のポイント

・全身の健康状態が最優先 → 心疾患・糖尿病・骨粗しょう症などの持病がある場合は慎重な判断が必要。
・骨の質が低下していることがある → 骨密度が低いと、インプラントが安定しにくい。
・手術後のケアが重要 → 免疫力が低下していると、感染症のリスクが高まる。

【ポイント】

年齢よりも体の状態が重要!
高齢だからといって一律に「インプラントはできない」とは限りません。主治医と相談しながら、リスクをしっかり把握することが大切です。

インプラント治療のためには実年齢よりも骨の状態が大事

インプラント治療の成否を決める重要な要素の一つが「骨の状態」です。実年齢が若くても、骨密度が低下していると治療が難しくなることがあります。

骨の状態をチェックするポイント

顎の骨が十分にあるか → 骨が足りない場合は骨移植や骨造成が必要。

骨密度が適切か → 骨粗しょう症などの影響で骨が弱いと、インプラントが安定しにくい。

炎症がないか → 歯周病があると骨が溶けるため、事前の治療が必要。

【ポイント】

年齢に関係なく、骨の状態を確認することが大切!

インプラント治療を成功させるためのポイント

インプラント治療を受ける際には、以下のポイントを押さえることが成功へのカギとなります。

  1. 適切な診断を受ける → CT撮影などで骨の状態を詳しく確認する。
  2. 歯周病の治療を優先する → 歯茎の状態を整えることが成功率を上げる。
  3. 生活習慣を見直す → 禁煙や食生活の改善がインプラントの長期維持につながる。
  4. 定期的な健診を受ける → インプラントはメンテナンスが不可欠。
  5. 咬み合わせのバランスを確認する → インプラントが正しく機能するためには、噛み合わせの調整が重要。
  6. インプラントの種類を選ぶ → 患者さんの骨の状態に合ったインプラントの種類を選択することが大切。
  7. 適切な歯磨き方法を実践する → インプラント周囲炎を防ぐために、適切な歯磨き指導を受ける。

成功率を高めるための具体的な対策

術前のカウンセリングをしっかり受ける

インプラント治療には、患者さん自身の理解と協力が不可欠です。

治療の流れやメリット・デメリットを十分に理解することが重要です。

骨密度が低い場合の対策を考える

骨密度が不足している場合、骨造成(GBR)やサイナスリフトなどの補助的な治療を検討することが可能です。

骨の状態によっては、通常のインプラントよりも短めのインプラントを選択するケースもあります。

手術後のケアを徹底する

手術後の腫れや痛みを軽減するために、冷やしたり、抗生物質をしっかり服用する。

傷口の感染を防ぐため、決められた通りの口腔ケアを行う。

飲酒や喫煙を控えることで、傷の回復を早めることができます。

噛み合わせの調整を慎重に行う

・インプラントは天然の歯とは異なるため、適切な力がかかるよう調整することが大切。

・噛み合わせの負担が偏らないように、定期的なチェックを受ける。

長期的なメンテナンスを怠らない

インプラントは「入れたら終わり」ではなく、適切なメンテナンスが重要。

3〜6ヶ月に1回の定期検診を受け、インプラント周囲炎を防ぐ。

長く使うためには、術後のケアが重要!
インプラントは正しくケアすれば長期間使用することが可能です。治療を受ける前に十分な情報を得て、最適な方法でインプラントを維持することが大切です。

まとめ

インプラント治療には明確な年齢制限はありませんが、

若年層は骨の成長が終わるまで慎重に判断
中高年は生活習慣や歯周病管理が重要
高齢者は全身の健康状態を最優先に考える

といった点がポイントになります。インプラントを検討されている方は、まずは歯科医に相談し、ご自身に最適な治療計画を立ててみてくださいね!

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 清水 博行

大阪歯科大学卒業 日本補綴歯科学会 日本口腔インプラント学会

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茨木クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック