インプラント

インプラントで行う増骨の種類とは

インプラントで行う増骨の種類とは

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 脇田 悠仁

インプラント治療をしたいけれど顎の骨が足りない、または十分でない場合にドクターは、部分的に増骨という処置を行えば、治療が可能になります。インプラントのための増骨にはどのような種類があるのかご説明します。

増骨の種類

主にこれらが一般的な増骨のための治療法です。

ソケットリフト

●骨の厚みがあるけれど、インプラントを埋め込むには少し足らない方へ上顎と上顎洞(鼻の横にある大きな空洞)の間のスペースに骨を足す処置
●上顎の奥歯の骨が一部だけ少ない際に使われることが多く、上顎の下に穴を開け、ネジを埋め込むようにその部分のみ骨を増やす
●人工骨や自家骨(患者様自身の別の骨を削る)で補うことが多い

サイナスリフト

●全体的に骨の厚みがなく、広い範囲で上顎と上顎洞の間に骨を足す処置
●上顎の側面から穴を開け骨を増やす
●人工骨や自家骨(患者様自身の別の骨を削る)で補うことが多い

GBR法 (骨組織誘導再生法)

●Guided Bone Regenerationという英語の略で、日本語で言えば骨組織誘導再生法
●骨の高さや幅がない箇所へ人工の骨を入れ、医療用の膜(メンブレン)を被せ、骨と人工骨を結合させる
●吸収性や非吸収性など特殊な膜であるメンブレンは種類がある
●非吸収性のメンブレンを使用した場合は結合を確認後に剥離してインプラント処置を行う

増骨の期間

通常、インプラントでの治療は、4~5ヶ月位で終了します。ただし、増骨が必要な場合何本分増骨するのかによっても異なりますが、治療終了までの期間はおおよそ約1年位とお考えください。増骨の処置を行うために、時間と費用もかかります。

インプラントと入れ歯・ブリッジの違い

歯を失った時の治療法

虫歯、歯周病、事故などで歯を失ってしまった場合、ブリッジ、インプラント、部分入れ歯の三種類の治療法があります。

インプラントは、入れ歯やブリッジと比べて、大きなメリットがあります。それは、天然の歯と変わらない噛む力(咬合力)と審美性です。

流れとしては、まず歯肉を切開し、フィクスチャーという人工歯根を骨に埋入します。そして、アバットメントという歯根とかぶせ物をつなぐ土台、上部構造というかぶせ物の3種類を、失った歯の代わりに入れるのがインプラントです。被せ物にセラミックという材質を選べば、保険適用の歯科用プラスチックと違い、白さが経年劣化することはありません。

骨が痩せているのにインプラントを無理やり行うと、人工歯根が埋入できず金属の部分が露出し、見た目が悪いばかりか、インプラント周囲炎や他のトラブルを引き起こす原因となります。そのため骨がしっかりとある部分にインプラントを埋入しなければなりません。

インプラントができないケース

持病(骨粗鬆症・糖尿病など)がある方は、服薬の関係上インプラント手術を行うことが難しい場合が多いです。

ただし、持病がなくとも、インプラントの手術をすぐに行えないケースがあります。それは、骨の量が少なく痩せている方です。治療期間は通常の患者様よりかかりますが、増骨を行うと、インプラント治療が可能となります。

インプラントで行う増骨の種類に関するQ&A

インプラントの増骨にはどのような種類がありますか?

インプラントの増骨には、ソケットリフト、サイナスリフト、およびGBR法(骨組織誘導再生法)などがあります。ソケットリフトは上顎と上顎洞の間に骨を足す処置で、特に上顎の奥歯の骨が少ない際に使用されます。サイナスリフトは上顎と上顎洞の間に広範囲で骨を足す処置です。GBR法は人工の骨を入れ、医療用の膜を被せて骨と結合させる方法です。

まとめ

インプラントのイメージ

インプラントの治療の際に行われる増骨についてご説明しました。インプラントをご検討中の方は、一度歯科医院へ来院して歯科医師やスタッフに直接相談することをおすすめします。

クリニックで精密検査を行い、骨の量をきちんと確認したのち、増骨などの技術に対応できる症例豊富な医院が適切といえます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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