インプラント

インプラント手術の一回法とニ回法について教えて

インプラント手術の一回法とニ回法について教えて

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 脇田 悠仁

インプラント治療の術式には、手術を1回だけ行う「一回法」と、2回に分けて行う「二回法」があります。どちらの術式で行うかは、患者さんの顎骨の状態に応じて選択します。

顎骨が硬く骨量が十分にある方の場合は、一回法でのインプラント手術が可能です。一方、骨量が少なく柔らかい場合には、2回法が適しています。まず、基本となるインプラントの術式である二回法からご説明しましょう。

ニ回法

インプラントオペ2回法

まず、インプラント体埋入手術(一次手術)で歯肉を切開して、インプラント体(人工歯根)を歯槽骨(顎の骨) に埋入し、切開部を縫合します。一次手術はインプラントの埋入のみで、切開した歯茎は一旦縫合して閉じます。

通常、上顎では約6ヶ月、下顎では約3ヶ月程度で歯槽骨とインプラント体が結合します。インプラントが骨としっかり結合したことが確認できたら、二次手術を行います。

ニ次手術では、再度歯肉を切開して、まずアバットメントの連結を行います。その後型取りをして、上部構造(人工歯冠)を装着します。

上部構造は歯科技工所で製作され、出来あがる迄には2~3週間かかります。上部構造が出来たら、アバットメントに装着して、インプラント治療は完了します。

一回法 1ピース・ 2ピース

インプラントオペ1回法

一回法には、「一回法1ピース」と「一回法2ピース」の二通りがあります。

「一回法1ピース」とは、インプラント体とアバットメントが一体になったものを、一回の手術で歯槽骨に埋入します。

「一回法2ピース」は、一回の手術で、インプラント体を埋入し、同時にアバットメントの連結まで行います。

一回法の場合は二回法のようにアバットメントを取り付けるための二次手術は不要です。
患者さんに負担が少ない反面、デメリットもあります。

上部構造を装着するまでの期間は、アバットメントの先端が歯肉の上に突き出た状態になります。そのためインプラント体の初期固定(インプラント体埋入直後の骨との固定)を確保するのが難しいことや、細菌感染を起こすリスクもあります。更に、食事・歯磨きによる傷口への刺激や、歯磨きによる衛生管理を徹底するなどの注意が必要です。

また、一回法2ピースの場合は、将来的にアバットメントを交換することが可能ですが、一回法1ピースの場合は、インプラント体の埋入方向が悪い場合、上部構造の角度の修正が難しいという問題があり、最近ではあまり使用されなくなってきています。

まとめ

インプラント模型

以上のように、インプラント手術の術式には大きく分けて「一回法」と「二回法」があります。どちらの術式を選ぶかは、症例に応じて担当医が判断します。当院では殆どの手術が二回法で行われています。

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