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どの歯が一番虫歯になりやすい?どうやって虫歯から守ればいい?

どの歯が一番虫歯になりやすい?

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 清水 博行

歯の中には虫歯が出来やすい歯があり、どの方も真っ先にその歯が虫歯になってしまいます。それはどの歯なのか、どうすれば虫歯予防が出来るのか、ご説明します。

一番虫歯になりやすい場所は?

虫歯になりやすいのは、乳歯でも永久歯でも、奥に生えている部分です。

特に永久歯の中では、第1大臼歯(6歳臼歯)が最もリスクが高いです。この部分は子どもの乳歯の奥に新たに生えてくるもので、永久歯の中で最初に現れます。

最初に生えてくるため、長く使われることになり、また幼い時期に生えるためケアが行き届かず、むし歯になりやすい傾向があります。

虫歯になりやすい部分の特徴

どこがむし歯になりやすいかは、位置や形状によって異なります。特に以下の部分は注意が必要です。

奥歯(臼歯)

咬合面に溝やくぼみが多いため、食べ物のカスやプラークが溜まりやすいです。この部分はブラシが届きにくいため、虫歯になるリスクが高まります。また、食事の際に食べ物をすりつぶす役割があり、よく使われることで、さらにリスクが上がります。

前歯の裏

前歯の裏側はブラシが行き届きにくい場所の一つです。特に下の前歯の裏側は、唾液中のミネラル分が沈着して歯石ができやすく、それが原因で虫歯に繋がることもあります。

6歳臼歯が虫歯になりやすい理由は?

大変虫歯になりやすい6歳臼歯(第一大臼歯)ですが、どうして他の歯と比べて虫歯になりやすいのでしょうか?

  1. 6歳臼歯は乳歯の奥歯の更に奥に生えてくるので、生えてきたことに気づかず、歯ブラシで十分に磨けていない
  2. 歯の噛む面にある細い溝に汚れがたまりやすい
  3. 子供がまだ小さい年齢で生えてくるため、歯磨きがきちんと出来ない
  4. 生えたばかりの時はまだ歯茎がかぶっている状態なので汚れがたまりやすい
  5. 生えたての永久歯はやわらかく、虫歯になりやすい

6歳臼歯が生えてくるのは6~7歳です。生えてくる年令が早い子供ほど6歳臼歯が虫歯になるリスクが高く、生えて間もない頃に虫歯になってしまうケースも多いです。

6歳臼歯を虫歯から守るには

6歳前後になったら、奥の方に新しい歯が生えてきていないか、保護者の方がよく観察してあげることが大切です。生えたばかりの部分はやわらかく、最初は歯ぐきから頭だけが出た状態なので、汚れがたまりやすいです。

しっかりとブラッシングしないと、汚れの中で細菌が増殖し、むし歯のリスクが高まります。お子さんはまだ小さく、細かい部分まできちんと磨くのは難しいため、夜だけでも仕上げ磨きをしましょう。

歯科医院で行うフッ素塗布やシーラントも効果があります。

1. シーラントとは?

子どもの歯を守るシーラント

シーラントは虫歯の予防のために行います。奥の噛む面の細かな溝を樹脂で埋める処置です。溝の奥の汚れを防ぎ、フッ素が含まれているため予防効果と強化作用があります。

シーラントは3~4歳ごろ(乳歯の奥)、5~6歳ごろ(永久歯の奥)、12~13歳ごろ(第2大臼歯)に行うのが一般的です。保険適用もあります。生える時期は個人差があるので、タイミングはお子さんによって異なります。

2. フッ素塗布とは?

フッ素塗布で虫歯予防

フッ素塗布には、歯質の強化、歯の石灰化を促す効果があります。

フッ素塗布を受けると3ヶ月程度は効果が持続しますので、3ヶ月の間隔を目安にフッ素塗布を受けると、フッ素の効果がずっと続きます。

クリニックで行うフッ素塗布は、高濃度のフッ素を歯に直接塗っていきます。クリニックでのフッ素のうがいも効果があります。フッ素による処置を受けたあとは、30分程度は飲食を控えます。

フッ素塗布のメリット

  1. 歯質の強化・・酸で溶けにくい歯質を作る
  2. 食後に歯から溶け出すミネラル成分を再石灰化して歯を修復する
  3. 虫歯の原因となる細菌を弱体化させて酸を出さないようにさせる

フッ素塗布は2歳頃から行うことが出来ます。ただし、フッ素塗布をしたら絶対に虫歯にならないというわけではありませんので、虫歯から歯を守るためには毎日の仕上げ磨きや、定期健診を受けることは必要です。

3. フッ素を含む歯磨き粉の使用

フッ素には歯の再石灰化を促進し、虫歯の初期段階を治す効果があります。フッ素を含む歯磨き粉を使用することで、虫歯のリスクを軽減できます。

4. 定期的な健診とクリーニング

自宅でのケアだけでは、すべての歯垢や歯石を取り除くことは難しいため、定期的に定期健診でプロフェッショナルクリーニングを受けることが大切です。特に奥歯や歯間の清掃はプロの手で行うことで、お口の病気を予防できます。

5. デンタルフロスや歯間ブラシの活用

歯間に詰まった食べ物のカスは、虫歯の大きな原因となります。日頃のケアにデンタルフロスや歯間ブラシも加えることが重要です。

ライフスタイルの改善も重要

食生活や生活習慣も虫歯予防に大きく関わっています。以下のポイントに注意して、ライフスタイルを改善することが、虫歯予防に繋がります。

砂糖の摂取量を控える

砂糖は虫歯の大きな原因の一つです。特に、頻繁に甘い飲み物やお菓子を摂取すると、お口の中に長時間糖分が残り、細菌が繁殖しやすくなります。間食の回数を減らし、食事の後は必ず歯磨きをする習慣をつけましょう。

キシリトールガムを噛む

キシリトールガムは虫歯の原因菌を減少させる効果があります。特に食事後やブラッシングができないときに噛むことで、予防に役立ちます。

Q&A:どこが一番むし歯になりやすい?

奥の部分が最もリスクが高い理由は、手が届きにくく、細かい溝が多いため汚れがたまりやすいからです。

6歳臼歯が特にリスクが高いのは、

  1. 生えたてはやわらかい

  2. 歯ぐきから頭だけが出ている状態で汚れやすい

  3. 子ども自身で十分なケアが難しい

シーラントの効果

  • 奥の咬合面の溝を樹脂で埋め、汚れの蓄積を防ぐ

  • フッ素配合で予防と強化のダブル効果

まとめ

歯のキャラクター

6歳臼歯(第1大臼歯)はものを噛んで食べる時にとても重要です。大人になっても第1大臼歯を失わないよう、出来るだけ子供の時期から虫歯にならないように守りましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 清水 博行

大阪歯科大学卒業  日本補綴歯科学会  日本口腔インプラント学会

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茨木クローバー歯科・矯正歯科

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