茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 清水 博行

「乳歯はいつ、どの順番で生えるのですか?」

乳歯は生後6〜9か月頃に下の前歯から生え始め、前歯、最初の奥歯、犬歯、いちばん奥の乳歯という順で、2歳半〜3歳頃に20本がそろうのが目安です。ただし、時期や順番には個人差があります。

「同じ月齢の子には生えているのに」「片方だけ生えてきた」と、気になることもあるでしょう。大切なのは、平均と比べるだけでなく、歯茎の様子や食事・授乳への影響も一緒に見ることです。

この記事を読むとわかること

  1. 乳歯が生える時期と順番
    → 前歯から奥歯まで、どのように増えていくかを確認できます。
  2. 歯科医院へ相談する目安
    → 生えるのが遅い場合や、痛み・腫れがある場合の対応がわかります。
  3. 生え始めのケア方法
    → 歯磨きの始め方や、むずがゆそうなときの対処を紹介します。

月齢表は成長の合否を決めるものではありません。お子さんの変化を見守るための目安として使ってください。

 

乳歯はいつから、どの順番で生えますか?

乳歯はいつから、どの順番で生えますか?の図解

乳歯は下の中央の前歯から生え始めることが多く、その後、上下の前歯が増えていきます。前歯の次には、犬歯の場所を空けて最初の奥歯が生え、その間に犬歯、最後にいちばん奥の乳歯が出てきます。

乳歯は前から一本ずつ順番に生えるわけではありません。

次の表は、大まかな生え方をまとめたものです。
上下の歯が生える時期には差があり、複数の段階が重なることもあります。

時期の目安 生えてくる歯 本数の目安
生後6〜9か月頃 下の中央の前歯 まず2本
1歳〜1歳半頃にかけて 上の前歯や、上下の中央の前歯の隣の歯 前歯がそろうと8本
1歳半頃を中心に 最初の奥歯(第一乳臼歯) 4本加わると12本
1歳半〜2歳頃を中心に 前歯と奥歯の間の犬歯 4本加わると16本
2歳〜3歳頃にかけて いちばん奥の乳歯(第二乳臼歯) 上下10本ずつ、合計20本

本数は、それぞれの歯がすべて生えた場合の合計です。
その月齢で必ず表の本数になるわけではなく、歯の先端が見えてから噛み合う高さになるまでにも時間がかかります。

生える順番が違ったり、左右で差があったりしても大丈夫ですか?

乳歯の生え始め

上の前歯が先に生える、中央の前歯より隣の歯が先に見えるなど、一般的な順番と違うことはあります。左右の同じ歯も、必ず同時に生えるとは限りません。順番だけで異常や将来の不正咬合を判断することはできません。

順番の違いだけで、すぐに治療が必要になるわけではありません。

ただし、特定の歯だけ変化がない場合や、生える位置が気になる場合は確認が必要です。
「どの順番だったか」に加え、「その後どう変わったか」を見ていきましょう。

気になる生え方 見方と対応
上の前歯や隣の歯が先に生えた 個人差の範囲であることもあります。痛みなどがなければ、次の健診で確認しましょう。
左右の片方だけ生えている 同時に生えないこともあります。差が長く続く場合は歯科医院へ相談しましょう。
前歯がないまま奥歯が生えてきた 一般的な順番とは異なるため、前歯の状態を歯科医院で確認しましょう。
歯が重なっている・極端に違う位置から出ている 本数や形、生える場所を確認してもらいましょう。

家庭では、口の中に見える歯だけで原因を判断するのは難しいものです。
受診したからといって、すぐに矯正や処置が始まるとは限りません。まずは経過を見てよい状態かを確認します。

1歳を過ぎても歯が生えないときは、受診が必要ですか?

1歳になって歯が一本もなくても、その時点で異常とは限りません。ただし、気になる場合は歯科医院へ相談して構いません。特に1歳半になっても一本も生えていない場合は、歯科で確認を受けましょう。

1歳は相談を考える時期、1歳半で一本もなければ確認を受ける目安です。

歯科医院では、口の中の診察と成長の経過から、必要に応じて歯のもとや生える場所を調べます。全員にレントゲン撮影が必要なわけではありません。

相談するときは、次の情報が役立ちます。

  1. 歯や歯茎の変化に気づいた時期
    → 「いつから気になったか」「ふくらみが変わったか」を伝えてください。写真があれば経過の参考になります。
  2. 授乳や食事で困っていること
    → 飲みにくい、特定の場所を痛がるなど、日常の様子も伝えましょう。
  3. これまでの健診での指摘
    → 母子健康手帳を持参すると、成長の経過を共有しやすくなります。

毎日歯茎を触って確かめる必要はありません。気になったときに日付と様子を残しておくと、記憶だけに頼らず相談できます。

乳歯の生え方やお口の成長についての相談は、茨木クローバー歯科・矯正歯科の小児歯科をご覧ください。

歯の生え始めには、どんな症状が出ますか?

歯の生え始めに出やすい症状

歯が生える頃には、よだれが増えたり、物をかみたがったり、歯茎がむずがゆそうになったりすることがあります。一方、発熱や下痢、強い痛みまで、すべて歯の生え始めが原因と考えるのは避けましょう。

口のむずがゆさと、全身の体調不良は分けて考えます。

歯が生える時期は、ほかの病気にかかる時期とも重なります。
次のように、症状と飲食・元気の様子を合わせて判断してください。

症状・様子 対応の目安
よだれが増える・物をかみたがる 元気で飲食できていれば、清潔な歯固めなどで様子を見ます。
歯が出る場所が少し赤く、むずがゆそう 強くこすらず見守ります。痛みが続く場合は歯科へ相談します。
歯茎の強い腫れ・膿・繰り返す出血がある 生え始めだけの症状と決めつけず、早めに歯科を受診します。
38℃以上の発熱・下痢・ぐったりしている 歯のせいと考えず、小児科へ相談します。
水分が取れない・尿が少ない 脱水が心配されるため、速やかに小児科へ相談します。

歯固めは月齢に合うものを選び、使用中は保護者が見守ってください。
冷やす場合は製品の説明に従い、凍らせて硬くしたものや、のどに詰まる小さな物は与えないようにしましょう。

生まれたときから歯がある場合は、どうすればよいですか?

最初の乳歯

出生時や生後間もなく見つかる歯は「先天性歯」と呼ばれます。本来の乳歯が早く生えた場合も、余分な歯の場合もあるため、小児歯科や口腔外科で状態を確認してもらいましょう。

早く生えたことより、ぐらつきや授乳への影響が重要です。

特に、歯が大きくぐらつく、舌の裏が傷ついている、痛くて母乳やミルクを飲めない場合は、早めの受診が必要です。歯の状態に応じて、経過観察や処置を検討します。

「どうせ抜けるから」と自宅で引っ張ったり、授乳で痛いからと歯を削ったりしないでください。保護者の方の授乳時の痛みも、遠慮せず相談してよい内容です。

生え始めの乳歯は、どうケアすればよいですか?

生え始めの乳歯のケア

乳歯が見え始めたら、小さくやわらかい歯ブラシで歯磨きを始めましょう。最初は短時間で構いません。口に触れられることに慣れながら、保護者が歯の汚れを落としていきます。

歯磨きは1歳まで待たず、最初の一本から始めます。

生えかけの歯の周囲は敏感なので、歯茎に歯ブラシを押しつけないことが大切です。
嫌がるときは一度休み、機嫌のよい時間に短く取り組みましょう。

ケアの項目 具体的な方法
歯ブラシ 乳児用の小さくやわらかいものを使い、見えている歯をやさしく磨きます。
歯磨きの回数 就寝前を含めて1日2回を基本に、保護者が仕上げます。
歯が生えてから2歳までの歯磨き剤 フッ素濃度900〜1,000ppmのものを米粒程度(1〜2mm)使います。
歯磨き中の安全 歯ブラシをくわえたまま歩かせず、保護者がそばで見守ります。

うがいができない時期は、歯磨き後にティッシュなどで歯磨き剤を軽く拭き取っても構いません。
使用量や磨き方に迷ったら、歯科医院で実際に確認してもらうと、家庭でも続けやすくなります。

お子さんの成長に合わせたお手入れについては、赤ちゃんの歯磨き・口腔ケアの方法と年齢別のコツも参考にしてください。

まとめ:乳歯の生え方で迷ったら、何を目安にすればよいですか?

乳歯は生後6〜9か月頃から生え始め、2歳半〜3歳頃に20本がそろうのが目安です。順番や時期に違いがあっても、それだけで異常とは限りません。月齢表に加えて、前回からの変化、痛みや腫れ、飲食への影響を見てください。

「何本あるか」と一緒に、「困っていることがあるか」を確認しましょう。

1歳半でも一本も生えない場合や、強い腫れ・痛み・ぐらつきがある場合は歯科医院へ相談してください。「受診するほどかわからない」という段階でも大丈夫です。茨木クローバー歯科・矯正歯科への相談時には、母子健康手帳や気になる変化のメモをお持ちいただくと、状況を伝えやすくなります。

関連ページ:茨木クローバー歯科・矯正歯科の小児歯科治療

参考文献・情報源

※本記事は上記の情報源などを参考に、一般の方にわかりやすい内容となるよう編集・構成しています。