定期健診の時に、歯科衛生士から「歯石がついていますね」といわれることがあります。歯石とは何か、出来やすい場所についてもご説明します。
歯石って何?
歯石とは歯の表面についてしまう石のように硬い物質で、だ液に含まれるカルシウムと歯についている歯垢(プラーク)が結びつくことで出来ます。
歯の表面はツルツルですが、歯石の表面は小さな穴がたくさんあいてデコボコしています。デコボコなので汚れがつきやすく、穴の中に細菌も棲みつきやすい状態になって、棲みついた細菌は毒素を出します。これが歯周病の原因の一つとなります。
歯石が出来やすい場所は?
唾液はカルシウムとプラークが結びついて出来ますので、唾液の出る場所の近くに出来やすい傾向があります。
唾液は唾液腺と呼ばれる唾液の出やすいポイントが3つあり、「耳下腺(じかせん)」「顎下腺(がっかせん)」「舌下腺(ぜっかせん)」と呼ばれます。唾液腺マッサージという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、唾液腺を刺激して唾液の分泌を促すために行うものです。
歯石は唾液腺の近く、「下あごの前歯の裏側あたり」と「上あごの奥歯の外側あたり」に出来やすい傾向があります。このあたりは特に丁寧に歯みがきをしてプラークがたまらないようにしましょう。
歯石をつきにくくするには?
歯石がなるべくつきにくくするにはプラークコントロールが重要です。歯垢(プラーク)が残っていると歯石ができやすいので、歯石がつきやすい方は歯みがきの方法を改善したり、フロスや歯間ブラシなどを使ったケアも効果的です。
歯石になる前の状態はバイオフィルムと呼ばれ、ねばねばした状態で、その中には細菌が沢山棲んでいます。歯石になる前に、バイオフィルムの段階で除去することが出来るように、歯垢を出来るだけセルフケアでていねいに落としましょう。
歯石はできてしまうと歯ブラシではとることができません。歯の表面がツルツル感がなくなりざらざら・デコボコしていると歯石ができてしまっていますので、歯科医院での歯石除去が必要になります。
歯科医院での歯石の除去はどうやるの?
歯科医院での歯石除去の治療は、国家資格を持つ歯科医師、歯科衛生士にのみに認められています。当院では歯科衛生士が歯周病の治療とともに歯石の除去も担当しています。
医療では何例も経験を重ねることにより腕が磨かれます。「歯石を取る」というと簡単な作業に思われがちですが、歯周ポケット内の歯石までも的確に除去出来るようになるまでには専門のトレーニングが必要となります。
きちんと歯石除去ができると、明らかに歯ぐきの状態が改善します。1~2週間すると、歯ぐきの炎症もおさまって健康なピンク色になって引き締まってくることが多いです。
歯石とは何か、出来やすい場所に関するQ&A
歯石は、口腔内に存在する唾液に含まれるカルシウムと歯垢が結びつくことによってできます。歯垢は歯の表面に付着した細菌や食べかすなどの残留物であり、これが歯石の原料となります。
歯石は、唾液腺が近くにある部位にできやすい傾向があります。特に「下あごの前歯の裏側あたり」と「上あごの奥歯の外側あたり」に歯石ができることがよくあります。
歯石をつきにくくするには、プラークコントロールが重要です。歯垢を徹底的に取り除くために、歯みがきの方法を改善したり、フロスや歯間ブラシを使って歯の隙間のケアを行うことが効果的です。
まとめ
健康な歯で一生過ごすためには、歯の健康が不可欠です。歯石の出来やすい下あごの前歯の裏側と上あごの奥歯の外側を丁寧にブラッシングして、歯石が出来ないようにケアしましょう。