
「子供の口臭が気になる……」「病気なの?」と不安に思われる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。子供の口臭は、成長過程で一時的に発生することもありますが、原因によっては対策が必要です。
実は、口臭の原因は単に歯磨きが不十分だからというだけではなく、体の不調が影響している場合もあるのです。では、どのような原因が考えられるのでしょうか?また、病院に行くべきサインとは?などについてご説明します。
目次
子供の口臭の主な原因とは?

子供の口臭はさまざまな要因で発生します。ここでは、主な原因について見ていきましょう。
口の中のトラブルが原因かも?(歯垢・虫歯・歯周病)
「うちの子、最近口がにおうかも…?」と気になっていませんか?子供の口臭にはいくつかの原因がありますが、その中でも お口の中のトラブル はよくある理由のひとつです。どんなことが関係しているのか、一緒に確認してみましょう!
- 歯垢の蓄積 → 食べかすが歯垢となり、細菌が繁殖して口臭の原因になります。
- 虫歯 → 虫歯の進行によって口臭が強くなることがあります。
- 歯周病 → まれに、子供でも歯肉炎や歯周病になることがあり、これが口臭の原因となることも。
口の中が原因の場合は、適切な歯磨きや定期的な健診で改善できることが多いです。
こんなことが口臭の原因に!
歯垢(しこう)のたまりすぎ
おやつやごはんの食べかすが歯垢になり、細菌が増えてしまうと、イヤなにおいの原因になります。特に奥歯や歯と歯の間は、歯磨きだけでは落としにくいので注意が必要です。
虫歯が進行している
虫歯があると、そこに細菌がたまりやすくなり、においの元になってしまうことも。痛みがなくても、口臭のサインで虫歯に気づくことがあります。
歯ぐきの炎症(歯肉炎・歯周病)
まれに子供でも歯ぐきが腫れたり、炎症を起こしてしまうことがあります。これも口臭につながることがあるので、歯ぐきの色や腫れがないかチェックしてみましょう。
対策のポイント
- 仕上げ磨きを丁寧に → 特に奥歯や歯の間は、お母さんがチェックしながら磨いてあげましょう。
- 定期的に歯科検診を受ける → 専門家に診てもらうことで、虫歯や歯肉炎を早めに防ぐことができます。
お口の乾燥も口臭の原因に!?(口呼吸)
お子さんが ぽかん口(お口を開けっぱなしにしている) になっていませんか?口呼吸が習慣になっていると、 お口の中が乾燥 してしまい、細菌が増えやすくなります。特に 鼻づまりが続いている お子さんは、無意識のうちに口呼吸になっていることが多いので要注意です。
こんなことに気をつけよう!
- 寝ている間もお口が開いている? → いびきをかいたり、朝起きたときに喉がカラカラになっている場合は、口呼吸の可能性が高いです。
- アレルギーや風邪の鼻づまりは早めに対処 → 鼻が詰まっていると、どうしても口呼吸になりがち。耳鼻科で相談するのもおすすめです。
- 口を閉じるトレーニングを取り入れる → 「お口を閉じてみようね」と意識させたり、口まわりの筋肉を鍛える簡単な遊びを取り入れるのも効果的です。
食生活も影響する?気をつけたい食べ物
毎日の食べ物も口臭に影響を与えることがあります。 特定の食べ物や飲み物 が原因で、一時的ににおいが強くなることも。
口臭の原因になりやすい食べ物
- ニンニクや玉ねぎ → 強いにおいが口の中に残りやすい。
- 乳製品の摂りすぎ → ヨーグルトやチーズを食べ過ぎると、細菌のバランスが崩れることも。
- 甘いおやつやジュース → 砂糖がたくさん含まれる食品は、細菌のエサになりやすく、虫歯や口臭の原因になります。
どうすればいい?
- 食後はお水を飲ませる → 口の中の汚れを流してくれるので、におい予防になります。
- おやつの時間を決める → だらだら食べを防ぐことで、口の中を清潔に保ちやすくなります。
子供の口臭 におい別の原因とは?

口臭の種類によって、その原因が異なることがあります。においの特徴ごとに考えられる原因を解説します。
甘酸っぱいにおい
- 糖尿病 → 血糖値が高い状態が続くと、口臭が甘酸っぱいにおいを帯びることがあります。
- 胃の不調 → 胃酸の逆流や消化不良があると、酸っぱいにおいがすることがあります。
腐ったようなにおい
- 虫歯や歯周病 → 口の中で細菌が繁殖すると、腐敗臭のようなにおいが発生します。
- 扁桃炎や副鼻腔炎 → 膿がたまることで、強い腐敗臭が口臭として現れることがあります。
魚や卵のようなにおい
- トリメチルアミン尿症(魚臭症候群) → 体内でトリメチルアミンという物質が代謝されず、口臭として排出されることがあります。
- 肝機能の低下 → 肝臓の働きが弱まると、特有の強いにおいがすることがあります。
アンモニアのようなにおい
- 腎機能の低下 → 腎臓の働きが低下すると、尿素が体内に蓄積し、アンモニアのようなにおいが口臭として感じられることがあります。
- 長時間の空腹状態 → 空腹が続くと、体が脂肪をエネルギーとして使う過程でケトン体が発生し、アンモニア臭を帯びることがあります。
ドブや硫黄のようなにおい
- 舌苔(ぜったい)の蓄積 → 舌の表面に細菌や食べかすがたまり、硫黄臭を発することがあります。
- 消化不良 → 腸内環境の悪化により、口臭が硫黄臭を帯びることがあります。
子供の口臭が病気によるものかチェックする方法
では、子供の口臭が単なる口の中の問題なのか、それとも病気が関係しているのかを見極めるポイントを紹介します。
風邪や鼻炎などの影響
- 口臭のほかに鼻づまり、咳、発熱などがあるか
- 風邪の治りかけでも口臭が続くことがある
胃腸の不調によるもの
- 食後すぐに口臭が強くなる
- 胃もたれや便秘がある
- 朝起きた時に口臭が特に強い
アレルギーが関係している場合
- アレルギー性鼻炎があり、口呼吸が続いている
- 口の中が乾燥しやすい
糖尿病やその他の疾患の可能性
- 口臭が甘酸っぱいような匂いがする
- 体重減少や多尿などの症状がある
このような症状が見られる場合は、小児科や歯科の受診を検討しましょう。
家庭でできる子供の口臭対策
まずは日常生活でできる対策を実践してみましょう。
正しい歯磨き習慣の見直し
歯の汚れによる口臭を発生させないようにするには、毎日の歯磨きを丁寧に行って汚れを出来るだけ落とすことが一番の早道です。
- フッ素入り歯磨き粉を使用する
- デンタルフロスを活用する
- 子供自身が磨くだけでなく、親が仕上げ磨きをする
正しい歯磨きを習慣化することで、口臭の原因となる歯垢や細菌の繁殖を防ぐことができます。
水分補給と食生活の改善
- 水をこまめに飲ませる
- 砂糖を含む飲み物を控える
- 野菜や果物をバランスよく取り入れる
適切な水分補給と栄養バランスの良い食事が、口臭の予防につながります。
口呼吸を防ぐための工夫
口呼吸は出来るだけ子供のうちに治しましょう。口呼吸を鼻呼吸に変えるための様々方法があります。
- 鼻づまりがあれば早めに治療する
- マスクを使用して口内の乾燥を防ぐ
- 口を閉じる癖をつけるためにトレーニングする
口呼吸が続くと口内環境が悪化するため、改善策を取り入れることが大切です。
病院に行くべき?歯科と小児科どちらを受診する?
子供の口臭が強く、家庭での対策をしても改善しない場合、何かの病気から起こっている可能性があります。病院の受診を考えましょう。
歯科での健診内容
- 虫歯や歯周病のチェック
- 歯垢や舌苔の確認
- 口腔内のクリーニング
歯科で定期健診を受けて頂くと、子供の歯に異常があり、それが口臭の原因になっているかどうかがわかります。
まず、子供の歯がきれいに磨けているかどうかのチェックを行います。汚れが原因でにおいを発している場合は、歯磨き指導を受けて、毎日の歯磨きをていねいに行うだけでにおいが改善します。
虫歯がにおいを発している場合は、少し進行していることが予想されますので、すぐに治療が必要です。歯周病も進行すると独特のにおいを発しますが、子供が重度の歯周病にかかっていることはめったにありません。
小児科での診察のポイント
- 鼻炎や副鼻腔炎の診断
- 胃腸の状態の確認
- 血液検査で全身疾患のチェック
お口の中ににおいを発するような異常が見られない場合は、小児科で診てもらって強い口臭を発する原因を探ってもらいましょう。病気が潜んでいて口臭の原因になっている場合は、担当の先生の指示に従って治療を受けましょう。
口臭の原因に応じて、適切な医療機関を受診しましょう。
まとめ
子供の口臭には、口内環境や食生活、体の不調などさまざまな要因が関係しています。しかし、適切なケアをすれば、ほとんどの場合改善が可能です。
- 正しい歯磨きと仕上げ磨きを徹底する
- 水分補給やバランスの良い食生活を心がける
- 口呼吸を防ぐための対策をする
- 必要に応じて歯科や小児科を受診する
「うちの子、口臭が強い?」と感じたら、まずは原因を特定し、適切な対策を行ってみましょう。