矯正歯科

インビザラインはブラックトライアングルが出来る?

インビザラインはブラックトライアングルが出来る?

ブラックトライアングルは、歯茎との間に三角形の隙間が出来てその部分が黒く見えてしまうという症状で、矯正治療を行った際に出来る可能性があります。インビザラインでのマウスピース矯正が特にブラックトライアングルが出来やすいということはなく、他の矯正装置でも起こる可能性があります。矯正治療でブラックトライアングルが出来ることについてご説明します。

ブラックトライアングルとは?

ブラックトライアングル

歯と歯の接点と、歯ぐきとの間に形成される三角形の隙間のことをいいます。この名前は、隙間の部分が黒く見えることから来ています。

前歯は根の方にいくにつれ細くなっており、ブラックトライアングルが出来やすく、出来てしまうと見た目が気になりやすいという特徴があります。

ブラックトライアングルと矯正治療との関連性

ブラックトライアングル

矯正治療で歯並びが改善され、歯と歯の重なりがなくなると、ブラックトライアングルが出来ていたということがあります。ブラックトライアングルは前歯に起こりがちで、上よりも下の前歯に良くみられます。奥歯に起こることは殆どありません。

矯正治療でブラックトライアングルが出来ることがある理由は、主に以下のようなものです。

1. 歯の重なりを治した場合

歯と歯が重なって歯列がデコボコになっている叢生の場合、歯を正しい位置に並べるために動かすと、歯と歯の間が叢生の時よりも広がった感じになります。矯正治療では正しいとされる歯と歯の間の隙間でも、ブラックトライアングルが目立つ状態になることがあります。

2. 抜歯矯正で歯を大きく動かした場合

抜歯矯正を行って歯を大きく動かした場合に、ブラックトライアングルが出来やすくなります。

矯正治療は歯に力をかけ、動く方向の側の骨吸収と反対側の骨形成を繰り返して歯を動かして行きます。骨吸収の際に溶けた骨は完全には元の状態に再生されず、骨が少し吸収して歯槽骨が減った状態になります。そのためブラックトライアングルが出来やすくなります。

3. 歯が重なって生えている部分が歯周病になっていた

歯が重なって生えていると歯磨きをしていても歯垢が残りやすく、その部分が歯周病になって歯茎に炎症が起こります。歯並びを整えると歯磨きで歯垢をきれいに落とせるようになり、歯茎の状態が改善します。その時に、炎症で腫れていた部分が元に戻るため、その部分にブラックトライアングルが出来やすくなります。

インビザラインで特にブラックトライアングルが発生しやすいということはない

矯正治療を行って歯を動かすと、どのような装置を使ってもブラックトライアングルを発生させる可能性があります。インビザラインで特にブラックトライアングルが発生しやすいということはありません。

▼インビザラインについてはこちらで詳しく解説しています

ブラックトライアングルは治せますか?

ブラックトライアングルが自然に修復することは期待できません。ブラックトライアングルが出来てしまうと、完全に元の状態に戻すのは難しいです。しかし、歯科医院でのクリーニングや適切なセルフケアで、歯周病のリスクを減らしてブラックトライアングルを大きくしないことは可能です。

どうしても治したい場合は、主に以下の3つの方法があります。

  1. セラミッククラウンを被せてブラックトライアングルが目立たないように整える
  2. 歯と歯の間を削って部分矯正を行う
  3. 歯肉移植を行う

まとめ

ブラックトライアングルは、歯と歯ぐきの間に出来る三角形の隙間で、矯正治療後に発生する可能性があります。

ブラックトライアングルが出来る主な原因は、歯の重なりの治療の過程で起こる、抜歯矯正、重なった歯の部分の歯周病によるもの等です。インビザラインでの治療でブラックトライアングルのリスクが高くなるということはありません。

ブラックトライアングルの自然修復は難しいですが適切なケアによって進行を止めることは出来ます。主な治療方法は、セラミッククラウン、部分矯正、歯肉移植などがあります。

現在のところ、インビザラインに関する直接的な研究結果は見つかりませんでしたが、一般的に歯列矯正治療後に発生する可能性のある「ブラックトライアングル」に関する情報はあります。

1. Hisyam et al. (2022) の研究では、ブラックトライアングルの管理について調査されています。この状態は食物の保持空間となり、特に前歯の間で発生すると、発音や外見に影響を及ぼす可能性があります。治療方法としては、外科的アプローチやヒアルロン酸ゲルの使用が一般的ですが、治療結果は予測不可能であり、さらなる研究が必要です。【Hisyam et al., 2022

2. Krishnan & Kheur (2006) の研究では、ブラックトライアングルの発生原因として、プラーク関連病変による歯周病の進行、不適切な歯冠の形状や義歯の輪郭、過度な口腔衛生処置などが挙げられています。治療には、歯間部のソフトティッシュを再形成、保存、または再構築することを目的とした外科的および非外科的なアプローチが含まれます。【Krishnan & Kheur, 2006

これらの研究から、インビザラインを含む歯列矯正治療後にブラックトライアングルが発生する可能性があることがわかります。その発生原因は多岐にわたり、適切な治療には総合的なアプローチが必要であることが示唆されています。ブラックトライアングルの管理は、外科的手法やヒアルロン酸ゲルなどの非外科的手法によって行われることが多いです。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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