歯列矯正で大変なこととは?始める前に知っておきたいリアルな負担と乗り越え方

矯正治療に興味はあるけれど大変なことが多そうだし、実際に装置をつけたときにどんな感覚なのかと言いう点も気になるところでしょう。歯が痛いと聞くことも多く、身近に矯正中の人がいてもなかなか詳しくは聞きづらい…という方もいるかもしれません。また、歯並びが整っていく一方、痛みにずっと耐え続けることになるのでは?と不安を抱く方も少なくありません。そこで本記事では、矯正治療を始めてから特に辛く感じやすい時期や、その主な原因、そして痛みを和らげるための対処法について分かりやすく解説します。

歯列矯正が大変と感じる人が多い理由

歯列矯正が大変なことと検索する方の多くは、これから治療を始めようか迷っている方です。見た目を整えるだけでなく、噛み合わせや健康面にも良い影響を与える治療ですが、短期間で終わるものではありません。

噛み合わせも改善する場合は数か月ではなく、1年〜3年ほどかけて少しずつ歯を動かしていくため、身体的、精神的、生活的な変化に向き合う必要があります。つまり、矯正は楽にきれいになる方法ではなく、計画的に続ける医療的な取り組みなのです。

痛みや違和感への慣れが必要になる

矯正を始めた多くの人が最初に驚くのが、装置をつけた直後の痛みです。歯が動くということは、骨の中で圧力がかかっている状態です。特に調整後2~3日は、今から挙げるような症状を感じやすくなります。

  • 歯が浮いたような感覚がする
  • 噛むと痛みが出る
  • 硬い物が食べられない
  • 装置が唇や頬に当たる違和感がある

ただし、これは異常ではなく、歯が正しく動いている証拠です。多くの場合、数日から1週間ほどで自然と慣れていきます。

食事や生活習慣の制限が意外と多い

矯正中は、食事内容にも気を配る必要があります。マウスピース型装置だから食事制限がないし大丈夫ではなく、装置の破損や虫歯リスク、着色リスクを防ぐためにも、特に今から挙げる食べ物や飲み物は注意を払っておきましょう。

避けた方がよいもの

ガムやキャラメルなどの粘着性の高い食品
せんべい、ナッツ、フランスパンなどの硬い食品
繊維質の多い肉類
紅茶やワイン、カレーやチョコレートなど色素の多い飲食物

矯正治療中は、気軽につまみ食いができなくなることも、大変な点でしょう。食べるたびに歯磨きが必要になるため、生活のリズム自体が変わります。

毎日のセルフケアが格段に重要になる

矯正中は、通常よりもはるかに虫歯や歯周病のリスクが高まります。装置の周囲には汚れが溜まりやすく、磨き残しも起こりやすいため治療前よりも丁寧なセルフケアが必須になります。では、求められるセルフケアはどのようなものでしょうか。

  • 毎食後のブラッシング
  • 歯間ブラシやフロス、タフトブラシの併用
  • 装置の周囲を意識した清掃をする
  • 定期的な歯科医院でのクリーニング

食後の歯磨きを頑張ることが、治療の成功を左右すると言っても過言ではありません。

治療期間が長く、モチベーション維持が難しい

歯列矯正は結果が出るまでに時間がかかります。最初の数か月は変化を実感しにくく、本当にきれいになるのか、終わりが見えないと感じる方も少なくありません。この心理的な不安こそ、矯正で大変なことの代表例です。

悩みの種類 内容 モチベーションが下がる理由 対処のポイント
変化を実感しにくい 歯は動いても見た目の変化が少ない 成果が見えず本当に治るか不安になる 治療前後の写真を定期的に見比べ、小さな変化を確認する
治療期間が長い 1〜3年という長さに途中で疲れる ゴールが遠く感じ、意識が薄れやすい 通院ごとに短期目標を設定して達成感を積み重ねる
食事や生活の制限 好きな物が食べにくい、ケアの手間が増える 日常の小さなストレスが継続する 食べやすいメニューを工夫しできる範囲で続ける
見た目への意識 笑うと装置が見えるのが気になる 人目を気にして気持ちが消極的になる 期間限定の治療と捉え、将来の変化をイメージする
痛みや違和感の反復 調整のたびに軽い痛みが出る また痛いのかと憂うつになる 痛みの出るタイミングを把握し、事前に食事や予定を調整
セルフケアの負担 歯磨きやフロスの管理が大変 手間が増え面倒に感じやすい ケア用品を揃えて習慣化し、ルーティンに組み込む

歯の移動は1ヶ月に0.5~1mm位しか動きません。それ以上に歯を動かすと歯のトラブルが起きてしまいます。すぐに変化が訪れるというものではありませんが、矯正装置の装着時間をきちんと守っている積み重ねにより将来的に変化が訪れます。

見た目や周囲の視線が気になることもある

特にワイヤー矯正を選択された場合、装置の見た目が気になる方もいます。

人前で笑いにくい
写真写りが気になる
仕事への影響を心配する

矯正装置の種類

矯正装置について特徴をおさらいしておきます。成人では、ワイヤー矯正と、マウスピース型矯正が主な治療法です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす最も一般的な方法です。軽度から重度まで幅広い症例に対応できます。

裏側矯正

舌側矯正(ぜっそくきょうせい)とも呼びます。歯の裏側にワイヤーとブラケットをつけるため、外から見えにくいのが特徴です。仕事で人と接することが多い見た目を重視する方に選ばれます。

マウスピース矯正

透明な取り外し式可能なマウスピースを段階的に交換して歯を動かします。インビザラインという装置が有名で、目立ちにくく、食事や歯磨きがしやすい方法ですが、一日20~22時間と装着時間が長いため、自己管理ができる方に向いています。

部分矯正

前歯など気になる部分だけを整える治療で、比較的短期間で行える場合があります。

最近では目立ちにくいマウスピース型矯正装置も増えていますが、装着に慣れるまでは心理的ハードルを感じやすいです。ただ、周囲は思っているほど気にしていないケースが多く、数週間で自分自身も自然に受け入れられることがほとんどです。

通院、費用、自己管理などの現実的な負担

国が指定する先天的な疾患が原因である歯並びの悪さ(不正咬合)は、保険適用で矯正治療を行えますが、多くの場合は自費治療となり、高い費用が掛かります。矯正は装置を付けたらずっとつけっぱなしで歯を動かすわけではありません。マウスピース矯正の場合は装置の交換を自分で行い歯の動きを定期的に確認します。

ワイヤー矯正の場合は、一般的に月1回程度のワイヤー調整があり、通院間隔を空けないようにしなければなりません。治療費が段階的にかかるケースが多く、治療の進捗状態によってはゴムかけなどを自分でする必要があり、継続的な関与が求められます。

矯正は、歯科医師の言う通りにして任せきりで行う治療ではなく、患者さん自身の協力が不可欠です。

矯正の大変さを乗り越えるための考え方と工夫

治療を成功させている人には共通点があります。それは短期目線ではなく、長期的な目線で考えていることです。大変さを軽減するためのポイントは次の通りです。

小さな変化を記録してモチベーションを維持する
痛みが出やすい時期を事前に理解しておく
フロス、歯間ブラシ、タフトブラシなどのケア用品を揃えて習慣化する
完璧に毎日行うというのを目指さず継続を重視する

矯正は我慢の治療ではなく、未来への投資型の医療と捉えることが大切です。

それでも矯正をする価値とは?得られる将来のメリット

矯正が終わった後、多くの方が口をそろえて言うのが「やってよかった」という言葉です。得られるのは見た目の改善だけではありません。

  1. 正しい噛み合わせになることで身体バランスの向上が見込める
  2. 清掃しやすくなることで虫歯や歯周病の予防効果があり、長期的に歯を守れる
  3. 歯並びが整うことで自分の笑顔への自信が得られる
  4. 将来的な歯科治療リスクの軽減ができる

矯正治療は、数年を使って一生の口腔環境を整える治療と言えます。

まとめ


矯正を大変なことと感じる理由は、痛み、生活の変化、長期間の継続、自己管理など、複数の要素が重なるためです。しかしその大変さは一時的なものであり、得られるメリットは長期的かつ健康的価値の高いものです。器具の装着を怠らず努力していると、結果として確実に返ってくる数少ない医療投資と言えるでしょう。